遺留の金品を保護費に充当し(葬祭扶助の費用充当)、後見報酬を差し引いても、なお、残金が生じた場合の取り扱い
被保護者の預貯金から後見報酬を差し引いても、なお、余る場合があります。余った預貯金はどうなるのでしょう?口座から払い戻して現金を保護課に持参する必要があります。なぜ持参するのでしょうか?調べてみました(意外な結末でした)。
生活保護問答集
(問13-10)〔死亡後の費用返還〕
死亡時まで生活保護法による保護を受けていた者について、法第18条第2項第1号の規定による葬祭扶助を行う場合、当該死亡者の遺留金品が相当あり、葬祭費に充当して、なお、残金が生ずる場合はこれに対して法第63条による費用返還措置を採るべきか。
(答)生活保護法第76条にいう保護費とは、法第18条第2項の規定による葬祭扶助を行うための保護費のみをいうのであって、これ以外の保護費は本条に規定する費用充当の対象となるものではない。したがって、設例のごとく当該死亡者の遺留資産を葬祭扶助費に充当しても、なお残金がある場合には、葬祭扶助費以外の保護費を対象として法第63条の規定を適用すべきものではなく、すべて施行規則第22条第2項及び第3項により措置すべきものである。
生活保護法
(遺留金品の処分)
第七十六条 第十八条第二項の規定により葬祭扶助を行う場合においては、保護の実施機関は、その死者の遺留の金銭及び有価証券を保護費に充て、なお足りないときは、遺留の物品を売却してその代金をこれに充てることができる。
2 都道府県又は市町村は、前項の費用について、その遺留の物品の上に他の債権者の先取特権に対して優先権を有する。
生活保護法施行規則
(遺留金品の処分)
第二十二条 保護の実施機関が法第七十六条第一項の規定により、遺留の物品を売却する場合においては、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百三十四条第一項に規定する一般競争入札、指名競争入札、随意契約又はせり売りの方法により契約を締結しなければならない。
2 保護の実施機関が法第七十六条の規定による措置をとつた場合において、遺留の金品を保護費に充当して、なお残余を生じたときは、保護の実施機関は、これを保管し、速やかに、相続財産の清算人の選任を家庭裁判所に請求し、選任された相続財産の清算人にこれを引き渡さなければならない。ただし、これによりがたいときは、民法第四百九十四条の規定に基づき当該残余の遺留の金品を供託することができる。
遺留の金銭は葬祭扶助の費用に充当することができますが、それ以外の保護費は費用充当の対象になりません。充当しても、なお、残金はある場合は当該金銭を保管し、相続財産の清算人の選任を家庭裁判所に請求し、当該清算人に引き渡す旨が記載されています。これにより難しいときは供託することもできます(生活保護法施行規則第22条第2項及び第3項)。つまり、当該金銭を保護課が当該清算人に引き渡す必要があるため(又は供託)、口座から払い戻して現金化するわけです。今まで残金は生活保護法第63条を適用し費用返還するものと思っていました。葬祭扶助費に充当しても、なお、残金がある場合、生活保護法第63条の規定を適用するのではなく、生活保護法施行規則第22条第2項及び第3項により措置すべきものであるとしています。
遺留金品の処分のまとめ
1、葬祭扶助
遺留の金品を保護費に充当し(葬祭扶助の費用充当)、後見報酬を差し引いても、なお、残金が生じた場合、保護の実施機関が相続財産の清算人に引き渡し又は供託する。
2、葬祭扶助以外の保護費
それ以外の保護費は費用充当(葬祭扶助の費用充当)の対象にならない。
補足
葬祭扶助の費用充当の先取特権は後見報酬の先取特権に劣後します。
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遺留金品は、報酬を受領後、ケースワーカーに返還しましょう。